医師免許承認を受けて、友人が祝杯を上げてくれました。CHIMESの中にあるおいしいステーキ屋さんで、Happy HourのTigarで乾杯をいたしました。
観光地のど真ん中であり、すれ違いざまに日本語が飛び交うのもなんだかすごく新鮮で、 あぁ日本語だぁという気分でした。
海外で自力で就職することが、異文化適応することがどういうことなのか。痛いほど知り尽くしている身の上同士で、ささやかながら乾杯をさせていただきました。
日本に今静かに、しかしひたひたと進行しているこの現象は何なのか。
それを話しあっていました。
まずは「資産流出」。相続税・住民税のないシンガポールに拠点を移し、ビジネスを有利に行っている日本人及びアジア人。シンガポールではいわゆる法人税は最高18%であり、平均すると10%前後。初期設立会社には税制優遇があるので実質はるかに低い税率考えられます。
中堅医師であれば住民税・所得税だけでおそらくビジネスクラスでシンガポールー東京を数回以上(中堅勤務医なら10回可能かも。。)往復できると思います。
資産流出の次に来るものは何でしょうか。
やはり、「頭脳流出」なのだと思います。私の頭脳などFairPriceのお得品ぐらいなので数にも数えられないでしょうが、癌研究、バイオ、水事業、あらゆる分野でアジアからの頭脳がシンガポールに参入してきています。直近では三菱レイヨンの水事業に関するシンガポール公共事業庁との覚書提出、などでしょうか。
ただこういったマスな動きでない、ミクロな動きのダイナミズムを最近強く感じます。そういう方々と面識を持ってきた、からなのかもしれません。
シンガポールの格安ドミトリーの一角に、ぽつんと日本人が座っている。
聞いてみると
「就職で来ました」という。
またアジアを飛び回っている医師がいる。今度シンガポールに来る日本人
麻酔科医の方がこられる。
小さな動きです。耳を澄ませ足音を立てずに傾聴しなければ聞こえないようなか細い声だと思います。あるいは、無視することさえできるぐらいの小さな雑音かもしれません。でも私を含め、海外で腹をくくっている人々と話し合えばあうほど、確信に近くなってきました。
日本のワーキングプアでいるより、いっそ海外に出てしまおうということなのでしょうか。
その声が、音が段々大きくなってきているな、ということです。
アジアは旅行する場所から、就職・起業する場所に変遷していっているまさにその場に自分が立っているような気さえするのです。
ただ、その「思い」と「英語力」とのギャップに現実を思い知らされた人の姿も見ています。ジャンプするには、一度しっかりとしゃがまないといけないようです。 ただここ近年で語学教育は格段にレベルアップしているので、Gatekeeper的な役割を持つTOEFL,TOEICへの抵抗感はドンドンなくなっていくでしょう。
これが10年後の日本にとって何を意味するのかなど、経済を勉強していない私としては皆目見当もつきません。 目の前にある医療と病に対し、力の限りやっていくしかありません。
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