病に冒された体から渾身の力を込め、マイクを握りしめて言われました。
2009年の会であったろうと思います。私は会場の端で傾聴しておりました。
マイクを握る手は少し震え、痩身の姿からは病気との闘いの日々が窺えました。
しかし、その姿からは想像できないような力強い声でした。
そして会場に響く、魂の根底から押し出されるような声でこう言われたのです。
「川の流れに己を任せるな。川を溯れ」
私には病という激流の中で、来るべき上流にある己の運命をじっと見据える先生の姿が、なぜかその会場で思い浮かんだのです。
この言葉は自分に対してであり、それと同時に私達の未来への在り方に対する言葉だったんだと今では信じています。
叱咤であり、叱責であり、そしてまたそれは激励であり、抱擁であったのだと思います。
遠い地からではありますが、心より御冥福をお祈り申し上げます。
言葉は紡ぎ、紡がれ時代を越えて記憶されていくのだと思います。
この言葉が、誰かの心に留まりますように。
私はこの地で、先生の言葉をささやかながらも実践させていただこうと思っています。
いや、どこであろうと。
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