さて、まとめよう、と思ったのだけれど、これ以上ないだろうというぐらいわかりやすくまとまっているサイトがごろごろ。
手抜き。
東京医科歯科大学のPowerPointが非常によくまとまっていました。
http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/kihonseisaku/002_04_02.pdf
あとコラムシンガポールがルポ風にCPFについて説明してくれています。
http://cgi.geocities.jp/yanto_nippon/column/SocialInsurance.php
CPFのサイト。ここがソース。
http://mycpf.cpf.gov.sg/Members/home.htm
CPFという制度は、家族制度と個別制度をうまく取り入れているなという印象を得ました。
今の日本の社会制度は、医療について言えば「社会還元型」、シンガポールは「家族還元型」といえるかと思います。
というのも、皆さんの払っている社会保険料は払った瞬間自らの手を離れ「市町村」レベルの大きな賽銭箱に入れられるからです。そこに「あなたが払った社会保険料」という「なまえ」は消えています。控除はされます。
シンガポールの場合、払った社会保険料は「名前」つきで個人口座にとどまります。
この結果どのようなincentiveが働くのでしょうか。
日本の場合「使えるうちに使わないと損」という発想になります。実際医療負担の極めて少ない層は「もっと薬をほしい」といわれます。生活保護世帯や母子家庭世帯です(医療費は実質無料です)。母子家庭を維持するため婚期に至っても結婚されない方もおられました。いつも彼氏さんときているにもかかわらずです。籍を設けると母子家庭から外れるから、というのが理由だそうです。
飲めもしないような量の頭痛薬をひつように求める生活保護の方がおられました。問い詰めると「友人がほしいというから」と白状されました。これが現実です。
ただこれも見方を変えれば「医師が十分な処方をしてくれなかった」となるのかもしれません。
一方、ぎりぎりの生活をされている労働従事家庭では、忙しい合間を縫って薬をもらいにきます。検査もいらない、お金がないから、と言われることも多々ありました。
こういうイビツなシステムが今の日本の現状です。一部の貧困層といわれるところから「医療が満足に受けられない」というのも事実だと思います。不要な医療を切る、という英断は政権与党ならできるのではないかと思うのですが、どうでしょうか。
これもかれも、「他人のお金」という考え方が根本にあるからだと思います。「自分のお金」ではないというのは制限なく使用される原因のひとつでしょう。
シンガポールはどうかというと、個人の「医療年金」を積み立てます。
健康であれば、使用することなく、将来より多い年金をもらうことができます。
タバコを吸い、酒を飲み、DMを悪化させれば、まず枯渇するのは自分の医療年金です。将来もらえる年金は激減します。
健康へのincentiveが働いています。
そしてCPF積み立てが不可能な人々に対してはMedifundが用意されています。ある程度強制力のあるもののようです。
すぐ隣にGDPが4倍近く異なる国が存在する国家です。潤沢な福祉を提供すれば経済移民が止まりません。そういう状況も働き、「小さな政府、自己責任、国家に頼り過ぎない人材」を育もうと血の出るような努力を積み重ねてきた国家だといえるでしょう。
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